葬儀の基礎知識
初めての喪主~葬儀準備から当日までの流れと心得~

大切な家族を失った直後は、深い悲しみと同時に、これから何をどう進めればいいのか分からない不安が押し寄せてくることがあります。そんな中で「喪主をお願いします」と言われると、気持ちの整理が追いつかないまま、責任の大きさだけが胸に重くのしかかってくるものです。
「葬儀の知識がないのに務まるのだろうか?」
「親戚や参列者に失礼があってはいけない」
「自分がしっかりしなければ」
初めて喪主になる方の多くが、同じような不安を抱えます。ですが、どうか覚えておいてほしいのは、喪主とは一人で完璧に取り仕切る役割ではなく、“故人を想う気持ち”を中心に、周りの支えを借りながら務めていく役目であるということです。このコラムでは、喪主として知っておくと安心できる流れと心得を、やさしく分かりやすくまとめました。
目次
喪主が最初に行うこと ― 連絡と意思決定
訃報直後は、気持ちが追いつかない状態であっても、いくつか決めなければならないことが出てきます。喪主が最初に行うのは「決断」と「連絡」です。
とはいえ、「全部自分でやらなければ」と気負う必要はありません。必要なステップを、葬儀社が一緒に確認しながら進めていきます。
親族・関係者への連絡
最初の電話で詳細を伝える必要はありません。亡くなられたことと、今後葬儀日程を決めていく旨だけを伝えれば十分です。
喪主が一人で全員に連絡をする必要はなく、ご兄弟や親族に手伝ってもらうことで負担が大きく減ります。
宗教・場所・規模など大まかな方針決め
宗派のしきたりや地域ごとの慣習は、初めてだと分からなくて当然です。そのため、葬儀社が丁寧に確認し、選択肢を提示します。
「どちらが良いですか?」と聞かれて迷う場合は、故人の好きだった雰囲気や、家族の希望を参考にして決めると自然です。
病院からの搬送手配
搬送も葬儀社が対応します。
喪主として決めることは「どこへ搬送するか」だけで、特別な慣例や希望がなければ、自宅か安置施設が選択肢になります。
葬儀前日までの準備 ― 喪主の目線で押さえておきたいこと

葬儀までの数日間は、するべきことが次々と発生し、気持ちが落ち着かない時間でもあります。だからこそ、「全部を一人で抱え込まないこと」が何より大切です。
遺影写真の選定
喪主が「この顔で送ってあげたい」と思える写真を選ぶことが最も大切です。
笑顔の写真が良いのか、落ち着いた表情が良いのか──迷う時間も、故人を思い返す大切なひとときとなります。
供花・香典返し・会葬礼状
形式があるように見えますが、葬儀社がしっかりサポートします。
喪主は「どのような内容にするか」「どの程度の数にするか」を決めるだけでOKです。
席次・役割の調整
親戚の席順など、細かい部分に気を配るのは喪主にとって負担になりやすいポイントです。
親族と分担したり、葬儀社スタッフの意見を聞きながら決めるとスムーズに進みます。
挨拶文の準備
喪主として最も緊張するのが「挨拶」。
ですが長々と話す必要はありません。
・故人への想い
・生前お世話になったことへの感謝
・参列者へのお礼
この3点が入れば十分です。
気持ちがこみ上げて言葉に詰まっても、それは自然なこと。葬儀の場では、飾らない言葉ほど伝わります。
葬儀当日の動き ― “喪主だから”無理をしなくていい

葬儀当日は、参列者から声をかけられ、式の進行もあり、気持ちが張り詰めやすい時間です。しかし、喪主が完璧な案内役になる必要はありません。案内や誘導はスタッフが担当します。
香典帳の整理と香典返し
香典返しは「いつまでに必ず」という決まりはありません。落ち着いてから取り組んでも大丈夫です。
葬儀社が香典帳の処理や返礼品の手配もいたします。
四十九日法要の準備
僧侶への連絡、会場・お食事の手配などがありますが、これも「初めてで分からない」のが当然です。必要に応じて葬儀社がサポートしますので、どんな些細なことでも質問してください。
気持ちのケア
葬儀が終わった直後は、緊張の糸が切れて涙があふれる方が多くいます。
喪主は葬儀が終わるまで気持ちを抑えてしまいがちです。
その反動がくるのは自然なことです。
「涙が止まらない」「急に寂しさが押し寄せてきた」
そんな時はどうか自分を責めないでください。
喪主としての役割を果たした証でもあり、“悲しむ時間をようやく持てた”ということでもあります。
最後に ― 喪主に必要なのは“完璧さ”ではなく“気持ち”
喪主とは、故人を代表して送り出す、人生でめったにない大切な役目です。
しかしその本質は、「故人を想う気持ちがあること」。段取りの上手さや知識の多さではありません。
喪主がすべてを把握している必要はない。
分からないことはその都度聞いてよい。
家族に頼ることは、恥ずかしいことではない。
初めて喪主を務めるあなたが、不安を抱えるのは自然です。
だからこそ、私たちはその不安を少しでも軽くできるよう、準備から葬儀当日、葬儀後のサポートまで、寄り添いながらお手伝いいたします。
故人を想う気持ちを大切にしながら、ゆっくりと進んでいきましょう。
その歩みに、私たちがそっと寄り添います。







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