葬儀の基礎知識

墓じまいとは

お墓はいわば「故人や祖先の家」であり、お墓参りとは、お供え物やお花を手土産にお宅へ挨拶にうかがうことです。故人や祖先とつながるための場所であるお墓ですが、昨今ではさまざまな事情から墓じまいをする方が増えてきています。

今回の記事では、墓じまいが増えている背景や墓じまいのメリットデメリット、墓じまいの準備や手続きについてご紹介します。

墓じまいとは？

墓じまいとは、墓石を撤去して納めていた遺骨を取り出し、墓地を更地に戻して所有者に返還することを指します。その後、改葬（お墓の場所を移すこと）をして遺骨を別の墓地に移したり永代供養など別のかたちで供養したりします。

なお、改葬をする場合は市区町村が発行する「改葬許可証」が必ず必要となり、無許可で行ってしまった場合は罰則を受ける可能性があるので注意が必要です。

墓じまいが増加している背景

昨今、墓じまいを検討する方が増加していますが、それにはどういった要因があるのでしょうか。ここでは墓じまいが増えている背景についてご紹介します。

お墓への価値観の変化

明治時代に家制度が制定されてから近年まで、お墓は代々の先祖を祀る非常に重要な場所でした。そのため子孫がお墓を守り、次の世代へと代々継承してきましたが、近年では家や先祖にとらわれない価値観が生まれ、お墓を守ることへの義務感が薄れています。

地域の過疎化と高齢化

都心部以外の地域では、子どもが進学や就職で地元を離れ、地元には親世代だけが残るケースが多くあります。その親世代が高齢になると、お墓の管理・維持は難しくなるため、お墓を諦めて墓じまいをする方が増えてきます。

また、少子化が進む日本において家族の小規模化や、独身で生涯を終える単身化が増加しており、これまでのようにお墓を維持していくのは困難な状況です。そのため、将来を見据えて今のうちに墓じまいをされる方が増えていると考えられます。

お墓にも多様化の波

多様性が尊重されるようになった近年では、お墓に対しても自分の価値観を大事にする方が増えてきました。従来のお墓の概念だけではなく、新しいかたちで祖先とつながるようなさまざまな選択肢が登場しています。

そのため、絶対的なお墓の存在価値が薄れ「子どもに負担をかけたくない」、「負担になるなら無理にお墓参りをしなくてもよい」と考える方が増えて、墓じまいの増加を後押ししていると考えられます。

メディアによる「無縁墓」の報道による影響も

継承者がいないお墓は、放置されたまま状態の「無縁墓」となります。この「無縁墓」は社会問題としてメディアでもたびたび取り上げられたため、「将来、うちのお墓は無縁墓になるのでは……」と不安になった方が、墓じまいを検討するケースが増加しています。

墓じまいをするメリットとデメリット

墓じまいを本当に実行してよいものかどうか悩む方は多いと思います。ここでは墓じまいのメリット・デメリットをご紹介します。

墓じまいをするメリット

最初に墓じまいのメリットについてご紹介します。

継続的にかかる経済負担が減る

お墓を維持しようとすると、それを終えるまで継続的な出費が発生します。お墓がお寺にある場合は、檀家として年間の管理料や寄付金を払わなければならず、法事を行う場合は別途お布施も必要です。そのため、墓じまいをしてお寺との付き合いがなくなると、このような経済的負担は解消されます。

また、墓じまいをすることで墓地管理費が必要なくなり、お墓が遠くにある場合はそこまで行く交通費も不要となります。金銭面での負担がなくなるのは、大きなメリットの一つだといえるでしょう。

子どもに負担をかけなくてすむ

前述した通り、お墓は先祖代々継承されていくものであるため、自分が亡くなった場合は継承者である子どもに管理や供養を任せなければいけません。墓じまいをすることで、お墓を維持する手間や精神的負担を子どもにかけずにすみます。

無縁墓になる心配がなくなる

お墓を継承してくれる子どもや孫がいない場合は、先祖代々受け継いできたお墓が無縁墓になってしまう可能性があります。お墓の後継ぎがいない場合は、墓じまいをすることで自分が亡くなった後のお墓の管理についての心配が解消されます。

墓じまいのデメリット

さまざまな負担を軽減できる墓じまいですが、デメリットもあります。

墓じまいには費用がかかる

墓じまいの相場はお墓の規模や条件によって変わりますが、一般的には30万円～300万円ほどかかるとされています。また、お墓に納められている遺骨が多い場合はその分だけ費用が高くなり、金銭的負担は大きくなります。

親族とトラブルになる可能性がある

お墓は先祖代々受け継がれている大事なものです。家族のなかで意見が一致したとしても、親族のなかには先祖代々のお墓をなくしてしまうことに反対する方もいることでしょう。きちんと承諾を得ていないと、後々にトラブルに発展することもあります。

離檀料が高額な場合がある

墓じまいをするということは、お寺との付き合いを終える＝檀家をやめるということです。檀家制度というのは、先祖代々のお墓を供養してもらう代わりにお布施を払う仕組みであり、檀家をやめる際には離檀料を支払うのが習わしです。

離檀料は、３万円～20万円程度が一般的な相場ですが、お寺によってはその金額が高額になるケースもあります。

合祀されると遺骨は取り出せない

墓じまい後は、管理が必要ない永代供養墓を選択される方も多いでしょう。一般的な永代供養墓では遺骨は他の人の遺骨と合祀されるため、後々になって遺骨が必要になっても取り出すことができません。

墓じまい前の準備

先祖代々受け継がれてきたお墓を閉じるには、大きな決断が必要です。しっかりと事前準備をしておかなければ、後々でトラブルが発生することもあるので注意しましょう。ここからは、墓じまい前の手続きについてご紹介します。

家族・親族へ相談する

墓じまいをで最も大事なことは、親族への相談です。お墓は個人のものではなく、親族一同のものであるため、さまざまな理由で反対意見が出るかもしれません。

そのため、いきなり墓じまいを切り出すのではなく、まずは墓じまいを検討している旨を家族や近しい親族に軽く伝えてみましょう。その際、墓じまいを考えた理由と一緒に、墓じまいの時期やその方法についても伝えてみてください。

お墓の現状を確認する

何世代にも渡って受け継がれているお墓の場合は、誰の遺骨が納骨されているかを確認します。改葬などで遺骨を移す場合は、遺骨の数に応じた「改葬許可証」が必要になるため、遺骨の数や骨壺の大きさ、経過している年数などを確認しておきましょう。

供養方法の決定

墓じまい後の一般的な供養方法は、以下の4つです。

●　新しいお墓を建てる

●　永代供養（樹木葬なども含む）

●　手元供養

●　散骨

どの供養にもメリットやデメリットがあるため、家族や親族と十分検討しましょう。墓じまいにかかる費用や継承者問題、お参りがしやすいかどうかなど、さまざまな状況から供養方法を決めます。

費用の算出

墓じまいの費用には、明確に金額が決まっていないものがあります。離檀料については想定外の金額になる可能性もあるため、墓じまいをしたことがある経験者の方に話を聞くなどして、かかる費用の予測をできるだけ立てておきましょう。

墓じまいの手順と必要な手続き

墓じまいをすると決まったら、手順や手続きを確認します。この流れを理解しておくと、実際に動く際にスムーズに進められます。ここからは、墓じまいの手順や手続きをご紹介します。

墓じまいの意志を伝える

まずは墓地の管理者に墓じまいの意思を伝えます。お墓がお寺にある場合は、これまでお世話になったことの感謝を丁寧にお伝えし、墓じまいの理由も詳しく伝えておきましょう。

改葬許可の申請

改葬をする場合、必要な書類を取り寄せます。墓地のある市区町村で「改葬許可申請書」を発行してもらい、現在の墓地管理者に「埋葬証明」の印をもらいます。その後、新しい移転先から「受入れ許可証」をもらい、市区町村に提出して「改葬許可証」を受け取ります。

新たな墓地や墓石の準備

改葬する場合は、新しい墓地や墓石の準備を始めます。霊園を比較検討し、実際に見学に行ってみましょう。その際に、民間霊園なのか寺院墓地なのか、もしくは公営霊園なのかなど運営母体なども確認しておきましょう。

墓石は複数の業者から相見積もりをとると、より安価に準備することが可能です。予算を提示して墓石を紹介してもらいましょう。

閉眼供養

お墓に納骨されている遺骨を取り出す際は、「閉眼供養」が必要です。閉眼供養とは、先祖の魂を墓石から抜いて、ただの石に戻す法要のことを指します。遺骨を取り出す際は墓石を動かさなければいけないため、石材店への依頼も必要となります。お寺や霊園と同時に、石材店とも閉眼供養の予定を決めましょう。

離檀

お墓がお寺にあり檀家となっている場合は、墓じまいの際に「離壇」が必要となり、離檀料をお寺にお渡します。離檀料の金額に決まりはなく、お寺によってまちまちですが、一般的な目安としては法要1回分程度とされています。

お墓の撤去と工事

お墓の敷地は借りている土地であるため、更地に戻して返さなければいけません。お墓の撤去については石材店に依頼するのが一般的ですが、墓地の広さや墓石の大きさによって工事の内容やかかる費用が変わってくるため、事前に予算や工事にかかる日数などを確認しておきましょう。

改葬先での納骨・法要

元のお墓の撤去作業が終わったら、移転先の墓地で納骨と法要を行います。その際、僧侶へのお布施が必要です。新たな墓地での納骨と法要が無事に終われば、墓じまいは完了となります。

「コンパクト樹木葬」で永代供養がおすすめ！

墓じまいを検討される際、その後のお墓の在り方をどうするか悩まれる方は多いことでしょう。ここでは、弊社が運営してる「コンパクト樹木葬」についてご紹介します。

「樹木葬」とは？

「樹木葬」という言葉はご存知でしょうか。樹木葬とは、通常のお墓にある墓石の代わりに、樹木をシンボルとするお墓です。一般的に宗旨・宗派を問わず購入でき区画ごとに所有するため、ご供養も個別に行うことができます。

個人やご夫婦、一家族など少人数利用が基本で、将来の後継者がいなくても寺院や霊園が一定期間を経て合葬墓などにご遺骨を移し、永代にわたって供養してくれるため、後継者がいない方に喜ばれている新しいご供養の仕方です。

「コンパクト樹木葬」がおすすめな方

「コンパクト樹木葬」がおすすめな方は以下の通りです。

●　子どもたちに経済的な負担をかけたくない方

●　故郷のお墓が遠く、お墓参りに行けない方

●　お墓の後継者がいない方

●　墓じまいをされる方（墓じまいのお手伝いも可能です。どうぞご相談ください）

●　ご夫婦・ご家族・大切な方とだけで永眠したい方

●　生前に永眠場所を決めて心安らかに過ごしたい方

「コンパクト樹木葬」のおすすめポイント

おかげ様で第1期・第2期完売につき、第3期の販売を開始した「コンパクト樹木葬」。こちらのおすすめポイントをご紹介します。

●　一式28万円（税込）～販売

●　安心の永代供養つき

●　生前申込みOK

●　おひとり様もお申込みOK

●　 年間管理費・追加費用不要

●　宗旨・宗派は問いません　※菩提寺がある方は受付ができませんのでご了承ください。

詳しい内容をご確認したい方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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