喪服とビジネススーツの違いは？葬儀で恥をかかないためのマナー｜室蘭の葬儀・家族葬ならめもりあるグループ

若い世代の方の場合は葬儀に参列する機会が多くないことから、「黒いビジネススーツであれば喪服の代用になるのでは」と考えるかもしれません。しかし、喪服とビジネススーツは明確な違いがあり、知らずに着用すると自身が恥をかくだけではなく、ご遺族の方にとって失礼にあたる可能性もあります。

本記事では、ビジネススーツと喪服の違いやビジネススーツを着用してもよいパターン、スーツや小物の選び方などについてご紹介します。

喪服とビジネススーツでは色・光沢・シルエットが違う

喪服を準備する際、「黒いビジネススーツであれば代用できるのでは？」と考える方も多いかもしれません。しかし、ビジネススーツは喪服の代用になりません。ここでは、喪服とビジネススーツの具体的な違いについてご紹介します。

黒の濃さが違う

喪服とビジネススーツでは染め方や織り方が異なるため、同じ黒でも違う色になります。特殊な製法でつくられる喪服は「漆黒」や「墨黒」と呼ばれる深みのある濃い黒が特長で、光が当たっても黒が明るく見えることはありません。なお、深く濃い黒ほど格式が高いとされています。

一方、ビジネススーツはグレー寄りの黒になるため、光の当たり具合によっては薄い黒に見えることがあります。漆黒の喪服の横に並ぶと、その違いは一目瞭然です。

光沢が違う

喪服とビジネススーツでは、光沢も大きく異なります。喪服は光を反射しにくい素材の生地を使用していますが、ビジネススーツで使用される生地には光沢があります。こちらも実際に並べてみると違いがはっきりとわかります。

デザインが違う

喪服とビジネススーツは、シルエットも異なります。喪服は機能性よりも、フォーマルを重視したデザインになっています。また、着用頻度が少ない喪服は体形の変化に対応できるよう、ゆとりのあるシルエットでつくられているのが特長です。

一方、ビジネススーツはスタイリッシュな見た目や機能性を重視したデザインになっており、近年はスリムに着こなせるシルエットが主流となっています。日常的に使用する機会が多いビジネススーツは、買い替えを頻繁に行うことを想定してつくられており、こういった点も喪服とは異なります。

「略喪服」の場合はビジネススーツを着用してもOK

基本的にビジネススーツを喪服として使用するのは不適切ですが、急遽参列することになったお通夜の場合などは「略喪服」として黒のビジネススーツを着用してもかまいません。

「略喪服」が許されるパターンは以下の通りです。

・お通夜
「訃報を聞き急いで駆けつけた」という意味で、お通夜の場合は略喪服が許容されています。

・「平服でお越しください」と案内があった場合
葬儀やお別れの会、納骨式などであっても、主催者側から「平服で」と指定がある場合は、略喪服を着用するのがマナーです。

・急遽、弔問に伺う場合
故人の自宅へ急遽弔問に伺うことになった場合は、略喪服が許容されています。

・三回忌以降の法事
重要な法要（一周忌・三回忌）では準喪服が基本ですが、三回忌以降の年忌法要の場合は、「平服で」と指定されていることが多いです。この場合は、略喪服での参列が一般的となります。

喪服の代わりにビジネススーツを着用する際のポイント

ここでは、喪服の代わりにビジネススーツを着用する際のポイントをお伝えします。

黒の濃さや生地に気を付ける

喪服は濃い黒でなければいけません。ビジネススーツを喪服の代わりとして着用する場合は、できるだけ濃い黒のものを選びましょう。黒が濃く深い色であればあるほど、フォーマルで格式高い装いになります。生地はできるだけ光沢がないマットなもので、なおかつストライプなどの柄が入っていない無地のものを選びましょう。

シングルもしくはダブルどちらでもOK

男性のスーツの場合はシングルタイプもしくはダブルタイプがありますが、葬儀においてはそれらのルールはないため好みで選んでかまいません。シングルタイプはスリムな印象になるため若い世代に広く使用されており、一方のダブルタイプは貫禄がある印象になるため年配の方に多く使用されています。

なお、ビジネススーツを喪服代わりに着る際には、お尻が隠れる長さのジャケットを選びましょう。

ビジネススーツに合わせる小物のマナー

喪服の代わりにビジネススーツを着用した際には、小物にも気をつけましょう。ここでは、ビジネススーツに合わせる小物のマナーについて解説します。

シャツは白無地で光沢がないものを選ぶ

ビジネススーツには白無地のワイシャツを合わせるのがマナーです。しかし、急遽お通夜に駆けつける場合には多少の色柄が入っていても問題ありませんが、あまりにも派手すぎるシャツの場合は着替えた方がよいでしょう。

ネクタイは黒無地で光沢がないものを選ぶ

ネクタイは、光沢がない黒無地が基本です。近年では100円均一などでも、弔事用のマットな黒ネクタイが販売されています。

また、弔事の際には結び目に「ディンプル」と呼ばれるくぼみをつくらないように気をつけましょう。ディンプルは、華やかさを演出するためのものなので、弔事には不向きです。なお、ネクタイピンの使用もNGなので気をつけましょう。

靴などの小物は装飾や光沢がないものを選ぶ

靴は黒で、できるだけ光沢がない素材のものを選びましょう。男性の場合は、冠婚葬祭で使用できる黒の内羽根ストレートチップがおすすめです。靴に金具などの装飾が付いているものは、不適切なので避けましょう。

また、靴下やベルトも黒で統一します。結婚指輪はつけたまま参列してかまいませんが、カフスボタンや腕時計など光沢のあるものは外しましょう。

冬場のコートは黒無地を選ぶ

コートを着用する場合は、黒無地で光沢がない生地を使ったものを選びます。黒が難しければ、ダーク系の濃紺や濃いグレーなどでも問題ありません。また、首回りにファーが付いているものはNGです。弔事の場では、殺生を連想させる毛皮や革などを身に着けるのはご法度なので気をつけましょう。

あたたかくて冬場に重宝するダウンコートですが、カジュアルな印象になるため弔事にはふさわしくありません。フォーマルな印象となるチェスターコートやステンカラーコートがおすすめです。