葬儀の基礎知識

【室蘭市】後見人とは?制度の仕組み・種類・選任方法をわかりやすく解説

公開日: 2025年6月13日 9:00

最終更新日: 2025年10月28日 09:30

高齢化が進む中で、「もしも判断能力が低下したら、財産や生活の管理はどうすればいいのだろう」と不安に感じる方も少なくありません。そんなときに頼れるのが「後見人制度」です。後見人とは、認知症や知的障害、脳機能障害などにより判断が難しくなった方の権利と生活を守るために、家庭裁判所が選任する支援者のことをいいます。

この記事では、室蘭市で成年後見制度の利用を検討している方に向けて、後見人の種類や選任の流れ、費用の目安、注意点などをわかりやすく解説します。

後見人とは

認知症や障がいなどで判断能力が低下した人が、財産の管理や契約を正しく行えない場合、その人を法律的・生活的に支えるのが後見人です。成年後見制度は、本人の利益を守りながら、安心して暮らせるよう支援するための公的な制度です。

後見人には次のような種類があります。

・家族などが務める「親族後見人」
・弁護士や司法書士などの「専門職後見人」
・社会福祉法人などの「法人後見人」

また、成人ではなく判断能力が未発達な未成年者に対して選任される「未成年後見人」もあります。

後見人の選任方法

後見人は、家庭裁判所によって選任されます。特別な資格は必要なく、18歳以上であれば本人の家族や親族も候補となります。ただし、候補者であっても必ず選ばれるわけではなく、裁判所が本人の状況を踏まえて最適な人物を判断します。

また、民法第847条では、未成年者・破産者・訴訟関係者・行方不明者など、後見人になれない「欠格事由」が定められています。

成年後見制度の種類

成年後見制度には、家庭裁判所が選任する「法定後見」と、本人があらかじめ契約を結んでおく「任意後見」の2種類があります。

【法定後見】判断能力がすでに低下している方を支援

法定後見制度は、すでに判断能力が不十分な状態になった方を支えるための制度です。家庭裁判所が成年後見人を選任し、本人の財産管理や生活支援を行います。後見人には、本人の不利益な契約を取り消す権限(取消権)が認められています。

法定後見の申立てにかかる費用

・申立手数料:800円
・登記手数料:2,600円
・郵便切手代:3,000〜5,000円程度(裁判所により異なる)
・医師の診断書:数千円
・戸籍謄本や住民票:数百円
・鑑定費用(必要時):5〜10万円
・専門家に依頼する場合:10〜20万円

成年後見人の報酬

報酬は月2〜6万円が目安で、管理する財産が多いほど高く設定されます。財産が1,000万円以上の場合は月3万円前後、5,000万円を超える場合は月5万円程度です。

【任意後見】判断能力があるうちに準備できる制度

任意後見制度は、まだ判断能力があるうちに、将来の生活支援を任せたい人と契約を結んでおく制度です。信頼できる人を自分で選べるのが特徴で、契約は公正証書として公証役場で作成します。

任意後見の費用目安

・公正証書作成手数料:11,000円
・登記嘱託手数料:1,400円
・登記手数料:2,600円
・任意後見人の報酬:月1〜3万円
・任意後見監督人の報酬:月1〜3万円

成年後見人の主な業務内容

成年後見人は、主に「財産管理」「身上監護」「家庭裁判所への報告」の3つの職務を担います。

財産管理

・銀行口座や預貯金の管理
・年金や公共料金の支払い
・税金の申告・納付
・不動産や保険の管理

身上監護

・医療や介護に関する契約・支払い
・施設入所手続きや要介護認定申請
・住まいの契約や引越し支援

家庭裁判所への報告

成年後見人は年に1回、家庭裁判所へ財産目録・報告書・通帳の写しなどを提出し、職務内容を報告します。

後見人ができないこと

成年後見人には広い権限がありますが、以下のような行為は代理できません。

・婚姻や離婚などの身分行為
・遺言書の作成
・医療行為への同意
・本人の保証人になること

また、本人が亡くなった時点で後見契約は終了します。葬儀や死後の手続きは後見人の業務範囲外となり、別途ご家族や葬儀社が対応します。

室蘭市で成年後見制度を利用するには

室蘭市で成年後見制度を利用する場合は、室蘭家庭裁判所が申し立て窓口となります。また、室蘭市役所や地域包括支援センターでも、成年後見に関する無料相談を受け付けています。

制度の理解を深め、信頼できる支援者や専門家と連携することで、本人も家族も安心して生活を続けることができます。

葬儀や死後の手続きについてお悩みの方は、室蘭市のめもりあるグループまでご相談ください。