葬儀の基礎知識

親が亡くなったら何をすればいいの?【死後当日~7日目】

親や身内の死を何度も経験する人は多くないと思います。そのため、いざ自分自身がご遺族となった際に「どういった手続きが必要なのかがわからない」という方も多いことでしょう。

特に親が亡くなった場合は、必要な手続きが非常にたくさんあります。なかには期限が決められているものもあるため注意しなければいけません。今回は、できるだけスムーズに手続きを進められるよう、親が死亡した後にしなければいけないことを3つの記事に分けてご紹介します。

①親が亡くなったら何をすればいいの?【死後14日目~10ヶ月】の記事はこちら

②親が亡くなったら何をすればいいの?【死後2年~5年】の記事はこちら

【当日】死亡が確認されたらすぐに

死亡が確認されたら、その日のうちにやらなければいけないことが5つあります。

①死亡診断書もしくは死体検案書を受け取る

病院で亡くなった場合は、医師が作成した「死亡診断書」を受け取ります。病気を患っていて自宅で亡くなった場合は、かかりつけ医を自宅に呼び死亡診断書を発行してもらいましょう。死亡診断書の発行は保険適用外で全額自己負担となるため、3,000円~10,000円ほどかかります。

一方で、かかりつけ医がいない場合や事故死、死因不明の突然死、自死などの場合は速やかに警察を呼び、「死体検案書」を作成・発行してもらわなければいけません。死体検案書の発行手数料は地域によって差がありますが、相場は3〜10万円になるといわれています。

死亡診断書および死体検案書は死亡届と同じ用紙になっているため、役所に死亡届を提出後は手元に残りません。この後に発生する相続手続きで必要になる場面があるため、忘れずに数枚のコピーを取っておきましょう。

②葬儀社選びと打ち合わせ

親が亡くなった後はすぐに葬儀社へ連絡をしなければいけませんが、非常に時間が限られているなかで葬儀社を比較して選定するのは大変です。また、選択肢も限られてしまうため、できることなら親が亡くなる前に葬儀社を比較・検討し、あらかたの目星をつけておけるとよいでしょう。

③ご遺体の搬送

病院で亡くなった場合、ご遺体を安置してもらえる時間は数時間なので、自宅に安置するのか、葬儀社の安置場に搬送するのかをすぐに決めなければいけません。

④退院手続き

ご遺体の搬送と同時に退院手続きも行うため、入院費など必要な費用を準備する必要があります。その際、その費用を誰が払うのか、支払い方法を巡ってトラブルが発生することもあるため、できれば事前に話し合って決めておくとよいでしょう。

⑤近親者への連絡

近親者に訃報の連絡をしましょう。訃報は喪主となる方が伝えるのが基本的なマナーとされています。なぜならば、第三者に頼むと情報が正確に伝わらなかったり、訃報を受けた相手が失礼だと感じたりする懸念があるからです。

また、親しい間柄であればメールやLINEを利用することもあると思いますが、訃報は電話で伝えるのが正式な方法です。特に年配の方や目上の方の場合は、メールやLINEでの連絡をよく思わない方もいるので注意が必要です。

※LINEでお悔やみを伝える際のマナーについては、こちらの記事を参考にしてください。

伝える相手は、まずは三親等までの親族と会社関係者で、その次に友人や近所の人です。伝える内容は、取り急ぎ親が亡くなった事実だけをまずは簡潔に伝え、お通夜・ご葬儀の日時の詳細は後ほど改めて連絡すると伝えましょう。ただし、この時点ですでにお通夜・ご葬儀の詳細が決まっている場合は、その旨も併せて伝えておくと親切です。なお、その際に「連絡者リスト」を作成しておくことをおすすめします。

【2日目】

死亡後2日目にしなければいけないことは3つです。

①お通夜を行う

お通夜は、地域の風習や親族の希望などがある場合を除いて、基本的には葬儀社を介して実施します。葬儀社が、祭壇・供花の手配や参列者の案内など、お通夜に関わる一連の準備をしてくれるため任せておきましょう。

ご遺族側はまず喪主を決め、葬儀社と打ち合わせを行います。その後は参列者の出迎えや代表者の挨拶、参列者の見送りなどを行います。

②死亡届を提出する

「死亡届」を役所に提出することで故人の死亡が法的に認められ、戸籍に亡くなった旨が記載されたり住民票が抹消されたり等の処理が行われます。多くの場合、死亡届と死亡診断書(または死体検案書)は一体の用紙になっており、用紙の右側が死亡診断書・死体検案書で左側が死亡届です。

死亡届は、故人が亡くなった事実を知ってから7日以内に提出しなければなりません。ただし、故人が国外で亡くなっている場合の提出期限は、亡くなった事実を知ってから3ヶ月以内です。

死亡届の提出場所は、故人の本籍地もしくは亡くなった場所の役場、届出人の所在地にある役所ですが、めもりあるグループでは担当者が代行して手続きをさせていただきますので、ご安心してお任せください。

③火葬許可証・埋葬許可証を取得する

お通夜の準備と同時進行で「火葬許可書申請書」の準備も行います。この火葬許可申請書と死亡届が受理されると「火葬許可証」が発行されるので必ず火葬場に提出します。なお、こちらも死亡届と同様、7日以内に提出しなければいけません。

その後、火葬が済むと、火葬場にて火葬許可証に火葬執行証明済みの印が押されます。印が押された火葬許可証は「埋葬許可証」を兼ねるため、納骨を行う日まで大切に保管しましょう。※役所によって火葬許可証は埋葬許可証と同一用紙になっている場合もあります。

一方で、火葬ではなく土葬を行う際の許可証は「埋葬許可証」といいます。埋葬許可証取得の流れは火葬許可証と同じです。

【3日目】

死後3日目にしなければいけないことは3つです。

①お葬式を行う

お葬式もお通夜と同様、葬儀社が主になって進めていきますが、地域の風習や親族の希望などがある場合はその限りではありません。

②出棺・火葬

火葬は、基本的にはご葬儀と同日に行います。火葬の際、火葬許可証を火葬場に提出しなければいけませんが、めもりあるグループでは担当者が代行して手続きを行います。

ご葬儀で故人と最期のお別れをした後は、お棺を霊柩車に乗せて火葬場へ向かいます。その際、一般的には親族は霊柩車に同乗し、その他の人はチャーターしたバスで火葬場まで移動します。そのため、ご葬儀の準備の時点で参加する人の人数と必要な車のサイズを確認し、バスをチャーターしておきましょう。なお、お棺と一緒に乗ることができる霊柩バスもあります。

③押印済の火葬許可証の取得

火葬が終わり遺骨を骨壺に入れる作業が終わると、この骨壺と一緒に火葬許可証に火葬執行済の印が押されたものを受け取ります。

この押印済の火葬許可証は、四十九日法要後の納骨で墓地や霊園に提出するため、紛失しないように大事に保管しておきましょう。また、納骨まではしばらく日が空くため、紛失などに備えて、コピーを数枚取っておくと安心です。

【5日目】

死後5日目にしなければいけないことは1つです。

健康保険証の返却・資格喪失届の提出(5~14日以内)

故人の健康保険証の返却・資格喪失届の提出は、死後5~14日以内に行わなければいけません。

健康保険の場合は5日以内

会社員だった場合、勤務先が行う手続きとしては5日以内に「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届」を提出する必要があるため、ご遺族は速やかに勤務先へ訃報の連絡をしなければいけません。

国民健康保険・後期高齢者医療制度の場合は14日以内

返却先は、市区町村役場になります。

【7日目】

死後7日目にしなければいけないことは3つです。

①初七日法要

「初七日法要」とは、故人の冥福を祈る法要であり、遺骨や遺影の前で僧侶が読経を行います。この法要は本来、故人が死亡してから7日目に行いますが、近年ではご葬儀と同日に済ませるケースがほとんどになっています。

この法要では、会場や僧侶の手配、参列者の選定、引き出物や精進落とし(供養膳)の手配などが必要ですが、葬儀社がまとめて手配してくれるケースも多くなっています。準備の手間を減らしたい方の場合は、事前に葬儀社に確認してみるとよいでしょう。

②葬儀代金の清算手続き

通常、葬儀代金の清算は初七日くらいまでに終わらせるのが一般的です。ただし、葬儀社によってはご葬儀当日に支払うケースもあるため、清算については事前に葬儀社に確認しておきましょう。

③葬儀代の領収書の取得

ご葬儀代を支払った後は、葬儀社から「葬儀代の領収書」を受け取ります。この領収書は後に行う葬祭費の支給申請に必要となるため、捨てずに必ず保管しておいてください。