葬儀の基礎知識

喪中とは?苫小牧の忌中と喪中の違いはほかの地域と同じ?

親族や身近な人に不幸があると聞く「喪中」や「忌中」という言葉。実は何を意味しているのかわからないという方もいるでしょう。なんとなく意味は分かっているけれど、厳密な違いまではわからないという方も多くいらっしゃいます。今回の記事では、喪中と忌中の違いについてご紹介します。

【喪とは?】

合掌をする人の画像

そもそも喪というのは一般的に、身近な親族を亡くした人が故人を偲びつつ身を慎んで過ごすことをいいます。喪は必ずしも親族にしか適用されないわけではありません。尊敬している人や心を寄せる人に適用されることもあります。ただし、社会的には喪というと親族間での事柄であることがほとんどです。親族間での喪中が適用になる親等は二親等までであり、一親等とは自分と配偶者の親・祖父母・子とその配偶者・孫とその配偶者で、二親等とは自分と配偶者の兄弟姉妹とその配偶者までが該当となります。おじやおば、甥姪は三親等以上なので喪中の対象にはなりません。故人との関係による喪中の期間には下記のような目安があります。

        父母、養父母、義父母 12~13か月

        子、祖父母      3か月~半年

        兄弟、姉妹      一か月~3か月

        曾祖父母、おじおば  喪中とせず

【忌とは?】

忌とは故人が冥土で旅をするとされている期間です。ただし、宗教によって概念が違っており、仏教以外の宗教では冥土というものがありません。たとえば、神道では死を穢れとの一種と考えます。それを「忌」として、一定期間地域社会から外れることで周りを穢れから避けるという認識があるのです。また、よく耳にする言葉に「忌引き」というものがあります。忌引きとは、親族が亡くなったことにより、学校や仕事を休める期間です。こちらに宗教的な考えは一切関係がなく、各企業や学校の就業規則によって日数が違います。続柄による忌引きの一般的な日数は下記の通りです。

        配偶者、父母、子 7日

        祖父母      3日

        孫        1日

        兄弟姉妹     2日

        おじおば     1日

        配偶者の父母   5日

        子の配偶者    2日

        配偶者の子    2日

        配偶者の祖父母  2日

        配偶者の兄弟姉妹 2日

        各団体で定める日数の異なる場合がありますので、所属先に確認することをお勧めいたします。

【忌と喪の違いは?】

 ●喪中と忌中は期間が違う

忌中は喪中に含まれる期間であり亡くなった日から起算した49日間です。ただし、宗教や地域によって期間が50日のところもあるので、万人が同じ長さのものではありません。「忌明け」という言葉を耳にされた方もいらっしゃると思いますが、忌明けとはこの期間が終わったことを表します。一方、喪中は遺族が喪に服する期間であり、古くは13か月とされたようですが現在では1年とする考え方が主流です。故人の一周忌または一年祭を経て、はじめて遺族の喪が明けます。また、喪中は信仰する宗教によって「喪中」ではなく「服忌(ぶっき)」と呼び方が違うこともあります。服忌の期間は忌の期間50日と、その後一年祭までの間が服の期間です。

【喪中、忌中をどう過ごすか?】

●喪中にしてはいけないこと

禁止事項の画像

  ◇初詣や新年の挨拶は喪が明けるまで控える

喪中とは「喪に服している期間」なので、基本的に喪中の祝い事は控えるべきです。とくに初詣は新年を祝う行事のひとつなので、喪中は避けましょう。正月飾りなども喪中には用意せず過ごします。年賀状は一般的によく知られている通り、喪中の年は出しません。初詣に関してですが、宗教によっては忌中でなければ初詣は参列してもよいというところもあります。また、新年の挨拶は祝い事なので喪中は避けるべきですが、お中元やお歳暮は祝い事ではなく季節の挨拶です。そのため、この2つは喪中に送ることも受け取ることもとくに気にする必要はありません。ほかに喪中に避ける事柄とては、旅行や引っ越しがあります。引っ越しに関しては、もともと予定していた引っ越しもあるので必ずダメというわけではありません。やむを得ない事情の引っ越しもあります。ただし、人によって引っ越しは祝い事という認識の方もいらっしゃいます。喪中は派手な動きを控える期間でもあるので、引っ越しした場合はお知らせするタイミングをずらすなどの配慮が必要です。

 ◇結婚式は相手方との相談のうえで参加不参加を決めてもよい

結婚式や披露宴も基本的に喪中は参列や出席を避けるべき行事です。ただし、結婚式は何度もあるものではありませんし、相手の都合が最優先と考えて問題ありません。招待されていた結婚式を喪中が理由で不参加にしたことによって不都合が生じ、新郎新婦に迷惑をかけるのであれば事情を説明して参加することも可能です。ただし、何も知らせずに参加し、後々喪中であることが発覚してトラブルが生じる可能性もあるため、事前に必ず先方に知らせましょう。そのうえで判断をしてもらい、参加してもよいとなれば喪中でも参加は可能です。

●喪中にしなければならないこと

 ◇11~12月に喪中案内を送る

喪中は年賀状を出すべきでないという考え方が世間では広く浸透しています。しかし、自分が喪中だと知らせなければ年賀状は喪中の年でも届きます。届いた年賀状に対して返信しないと失礼にあたるため、毎年年賀状を出しているご家庭や取引先には喪中の年の11~12月に喪中案内を送りましょう。喪中案内とは、故人の名前と続柄、亡くなった月日、喪中であるため新年の挨拶は辞退するという旨の案内文を記載したはがきです。喪中案内は事前に送ることで、先方の年賀状の発送を防げます。中には喪中案内を送っても年賀状を送ってくるという方もいますが、先に喪中案内を発送しておけば、年賀状を返せなくても失礼には当たりません。喪中案内は、ご相談いただければめもりあるグループの斎場でもお作りできます。

◇年末の喪中について

年末になって身内に不幸が訪れることもあります。まだ年賀状を発送する前であれば、1月7日以降に届くように寒中見舞いを出しましょう。

例文としては

   寒中お見舞い申し上げます 昨年12月に〇〇が永眠致しましたため、新年のご挨拶を差し控えさせていただきました 今後とも変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます

というような内容のものとなります。もしも年賀状をすでに用意しており、ポストへ投函する前であれば、完成した年賀状を郵便局へ持って行きましょう。窓口で普通はがきや切手と交換してもらえます。投函まで終えている場合は、郵便局に依頼すれば回収することも可能です。まだ集配所にあれば手数料はかかりませんが、そこから移動している場合は手数料が数百円かかりますのでご注意ください。すでに配達が完了しているものについては回収できません。

●忌中にしてはいけないこと

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  ◇忌中期間中はお祝い事を避ける

忌中も喪中と同じようにお祝い事は控えます。新年の挨拶、引っ越し、旅行はもちろん、結婚式も参列は控えるべきです。ですが、喪中の時と同様、結婚式は相手の都合もあるため、先方から了承を得られれば参列は可能です。また、この時期は喪中と違って婚姻届けの提出も控えるべきとされています。喪中の婚姻に関してはとくに控えるべきことに当てはまらないのですが、忌中の婚姻は避けましょう。また、この時期は自分が結婚式を挙げるのも避けるべき時期です。式場や招待している方々に延期の相談などを行う必要があります。

 ◇不要不急の外出は避ける

忌中の外出は穢れを持ち歩くといわれるため、用事が無いのに出歩いたり、遊びに出掛けたりすべきでないと言われています。死後の手続きなどは必要なことですからもちろん当てはまりません。

 ◇葬儀への参列

苫小牧での葬儀の場合、忌中でも知人などの葬儀に参列される方をお見受けします。しかし地域によってはそれを良しとしない考え方のところもあるため、とくに北海道外など遠方に出向く際には十分注意する必要があります。その方の葬儀の行われる斎場に直接問い合わせるのが無難です。

 ◇神社、神棚への参拝

穢れるという考え方は気が枯れるという解釈もあり、元気が無い状態を意味します。神社に祀られている神様は元気の無い状態を嫌うため、忌中の気落ちした方の参拝を避けるべきという考え方があります。そのため七五三やお祭りなどは避けたほうがよいとされているのです。しかし、子どもの合格祈願や厄払いなどタイミングを逃すわけにいかないものもありますので、宮司さんに相談してみるとよいでしょう。

【お問い合わせはめもりあるグループへ】

今回の記事では、忌中と喪中の違いについてご説明しました。しかし文面だけではわからないことなどもあるでしょう。もしもご不明な点や、「これはどうなんだろう」と疑問に思うことなどがございましたら、いつでもめもりあるグループまでお問合せください。